ギリシャ時代から始まったとされる色彩調和の考え方は、様々な人が、様々な立場で論じて出来ました。

色彩検定3級では、配色の基本的な考え方として「統一と変化」を学びますが、色彩検定2級では、基本的な色彩配色の調和の考え方の中でも、特に重要なアメリカの色彩学者のジャッドの理論と、同じくアメリカの自然科学者のルードの理論を見ていきます。

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配色の美しさや心地良さの評価はギリシャ時代から始まり、それ以後現代にいたるまで、学者や芸術家、色彩研究家たちが論じ、継承されてきました。ここではその中でも最も一般的で汎用性のある色彩調和論について学んでいきます。

配色と調和

調和する配色の考え方

配色とは…2色以上の色を組み合わせ、その調和の関係を図ること。

色彩調和論…古くから多くの人たちが調和する配色について考え、論じ、理論づけされてきたもの。

ジャッドの色彩調和論

ジャッド:アメリカの色彩学者

さまざまな色彩調和論を研究・分析して次の四つの原理にまとめている

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ジャッドは人間が美しさを感じる配色調和の類型(タイプ)は伝統的文化としてこの4つに集約されると明確にしました。

ルードの色彩調和論

ルード:アメリカの自然科学者

調和する配色の考え方の一つとして、「美しい配色は、たくさんの色を使うことによってできるのではなく、ごく限られた色の使用によって達成できる。」とした。

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限られた色相だけを使う考え方は、欧米ではオーソドックスな理論となっています。

ルードの理論:自然から学ぶ色彩調和

 ルードは自然の中の色の見え方と色彩調和と結び付けました。

「自然光のもとでの色の見え方には一定の法則があり、同じ色でも光が当たっているところは黄みがかって見え、影の部分は青みがかってみる」ことを指摘します。

同じ葉っぱでも、光が当たっている方が黄みよりに、影の部分は暗く青みが買って見えます。

 この自然の色の見えの法則は、後に色相の自然連鎖(Natural Sequence of Hues)と呼ばれ、この関係に従った配色は人間になじむカラーハーモニーになるとしました。

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ルードが発見した色相の自然連鎖(Natural Sequence of Hues)をもとにしたナチュラルハーモニーと、逆に自然の見えに反したコンプレックス・ハーモニーを理解しましょう。

自然の秩序からの色彩調和  

ナチュラルハーモニー(ナチュラル配色)

ルードの色彩の自然連鎖の原理に沿った色彩調和。

意味:同じ色でも明るい色は黄み寄りの色相、暗い色は青紫寄りの色相となるような配色

配色方法:黄(8:Y)に近い色相の色を明るく、青紫(20:V)に近い色相の色を暗くする配色方法。使う色相は近似した色相を使う(隣接色相配色、類似色相配色)

左はlt10で右はd12です。色相番号10は8番の黄みに近く、色相番号12は20番の青紫に近いですね。

8に近い色相番号10を明るいトーンのltトーン、20に近い色相番号12を暗いトーンのdトーンにしています

 

ナチュラルハーモニーに該当しない配色

・中差色相・対照色相・補色色相の場合は、黄に近い色相が高明度であってもナチュラルハーモニーとはいわない。

・同一色相配色や無彩色を使った配色は、色相差を考えることができないのでナチュラルハーモニーは作れない。

 

コンプレックスハーモニー(コンプレックス配色)

意味…「コンプレックス」=「複雑な」

  • ナチュラルハーモニーとは逆に明るい色を青紫寄り、暗い色を黄みよりに配色にする。
  • 「不調和の調和」=コンプレックスハーモニーは、自然界の色の見え方に反した配色のため、違和感を感じたり、不思議な感じがする。
  • その効果を逆に利用して、人目を引きつけたり、非日常的なイメージや、新鮮な感じを演出することもできる。

配色方法・黄(8:Y)に近い色相の色を暗く、青紫(20:V)に近い色相の色を明るくする。

左はlt12で右はd10。20の青紫に近い12番の色相を明るく、8の黄色に近い10番の色相を暗くしています。

コンプレックスハーモニーに該当しない配色

  • 同一色相配色や無彩色を使った配色は、色相差を考えることができないのでコンプレックス配色も作れない。
  • 色相環で同じ高さの色相同士の配色も、8番と20番との差を考えることができないのでコンプレックス配色は作れない。例6と10、2と14など。
色相環で8と20に対して線対称の関係の色は8と20の差が同じなので、コンプレックス配色を作ることはできません。

 

ナチュラル配色とコンプレックス配色の関係

ナチュラル配色とコンプレックス配色は、同じ色相、同じトーンを使ってもその組み合わせ方でナチュラル配色にもコンプレックス配色にもなります。特にナチュラル配色は、隣接色相・類似色相で色相を考える時トーン(明るさ)を気をつけないと、コンプレックス配色になってしまうことがあるので、整理して理解することが大切です。

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同系色同士は比較的自然な印象にまとまる配色と思ってしまいがちですが、配色してみて自然な感じにならない場合、コンプレックス配色になっていることが多いです。

例えば、ベージュや紺色はナチュラル配色になりやすい色です。それはベージュは8番に近いオレンジが明るい色で、また紺は20番に近い青が暗くなった色だからです。そのため、ファッションなどでも自然な印象のコーディネートを作ることが出来ます。

逆に茶色や水色、ラベンダー色などは、逆に8番に近い茶色が暗く、20番に近い青や紫が明るいので、コンプレックス配色を作りやすくなります。

チョコミントの配色は、まさにコンプレックス配色ですね!

 

まとめ

いかがでしたか?

ナチュラル配色は、自然界の見え方に準じた配色方法なので、とても自然でなじみやすい配色ですが、コンプレックス配色は、自然界の見え方に逆らった配色なので、自然の景色の中であまり目にすることがない配色です。そのため、逆に斬新なイメージや目立つ配色をしたいときにはとても効果的なので、配色の目的に合わせて使うと、とても便利な配色になります。

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試験などでは、カラー図版で出題されることも多いので、その場合は、一度に考えるのではなく、それぞれの色相とトーンを別に考えて、8番よりの色相が明るければナチュラル、逆に8番よりの色相が暗ければコンプレックスと段階を追って考えてみるとわかりやすくなります。