皆さんは色彩心理という言葉をご存じですか?

私たちが普段、普通に目にしている色ですが、

その見ている色には、実に様々なメッセージがあり

それを私たちは無意識にキャッチし、

その色によって、さまざまな場面で私たちの気持ちや感情が

色によってコントロールされているということが多々あります。

ここでは、実際に活用されている色の効果についてみていきたいと思います。

色によって売り上げが変わる?

パッケージの色によって、売り上げが変わるということは今でも普通に起きています。 

・サントリーの「伊右衛門」が売り上げ2倍になった!

サントリーの「伊右衛門」がお茶の色を変えて、

コンビニでの売り上げを2倍にしたという話があります。

そのリニューアル前まで、「伊右衛門」は売り上げが4割程度落ちていて、

コンビニの棚落ちの危険まであったとか!

伊右衛門のCMといえば、俳優の本木雅弘さんが茶師となり、

その妻を宮沢りえさんが演じ

「伊右衛門夫婦のこだわりのお茶」「200年の歴史がある老舗茶房」

というコンセプトのCMは長い間とても好評です。

しかし、CMは好評でも、実際には肝心のお茶が売れない…。

つまり、CMでは販売促進効果がないということになります。

そこで

マーケティング部ではペットボトルの緑茶市場全体を調べたところ、

「伊右衛門」が対象とした「お茶好き」というお茶のヘビーユーザーは、

ペットボトルをそもそも買わないということが分かり、

ペットボトルのお茶のユーザーは、

お茶本来の渋さや深みを求めていない、

ということが分かったそうです。

そこで、今度は「お茶のイメージ」として高級感がある

「淹れたてのお茶の緑を出す」ということに決め、

お茶の渋みを出すカテキンが増えると、お茶そのものの色が茶色になるので、

緑茶ならではの渋みはぎりぎり残る程度のカテキンを入れ、

抹茶らしい緑の色を再現したそうです。

その結果、販売するとまさに売り上げは爆上げ!しました。

消費者の購入意向を調査すると、

購入理由が「キレイな緑だから!」という答えが一番多く

「伊右衛門」は「淹れたての緑」で売り上げが2倍を達成しました。

・○○の色でグーグルの売り上げ利益2億ドル!

こうした人間に与える色の影響に目を付けたグーグルでは、

「リンクテキストの色を変えるだけで、売り上げを伸ばすことはできないだろうか?」

と考え、

世界中の検索エンジン50種類以上のを使ったところ、

世界中で最も高いクリック率の青を特定し、

単に色を変えただけで検索エンジンによる利益を2億ドルの売り上げを増やしました。

その青はカラーコードでいうと#1122CCこういう色です

青の効果

これまでの例のように青は見る人に鎮静効果やリラックス感を与え、

また集中力も高めてくれる色なので、

落ち着いた気持ちで検索することが可能な色

さらに、色覚特性として特定の色が見えづらいという人は、

赤や緑が見えづらい人の割合が圧倒的に多く、

青が見えづらい人は比較的少ないため、

青という色は、より多くの人に色の違いや区別を認識してもらいやすい色になります。

背景が緑だと何が書かれてあるかわかりません。
背景が青だと黄色と青の違いが分かるので←と認識できます。

 

しかし!

青ならすべての問題を解決するか、といえばそうではなく、

スペルチェックなどの注意力が必要な場合は、赤のほうが青より優れています。

赤はやはりパッと目に入りやすい色なので、強調色として注意を促されやすい色になります。

つまり、「どんな色が人にどのような影響を与えるか」という色の個性や効果を知って

目的に合わせて色を選ぶことで仕事や生活の様々な場面でより質の高い効果を得ることができます。

青は自殺も思いとどめる。

青は鎮静効果やリラックス効果を与える色です。

そうした効果は自殺を思いとどめることも可能にする色として、

青の照明は、自殺やごみの投げ捨て防止、防犯などの目的で全国に広がっています。

JR山手線でも100周年を記念して、各駅に青色照明の設置を決定しました。

その背景は、13県で発生した輸送障害の原因の自殺の割合が

年々増え続けたという理由があります。

そしてJR東日本は

「青色照明がもつ人間の精神状態を穏やかにする効果」に期待したところ、

自殺者を84%減少させたという効果が出たといわれています。

また落書きなどの迷惑行為の防止も期待できます。

目立つのはやっぱり赤

これまで青の効果を生かした事例を見ましたが、

もちろん赤を生かした事例もあります。

赤はとにかく目立ちます。

そのため注意喚起には絶対必要な色になります。

専門的には誘目性が高い色といいますが、実際のその効果は驚くほど。

赤い服を着た女性ヒッチハイカーには2倍の車が止まってくれて、

赤い服のウエイトレスには多額のチップが支払われ、

アメリカの大統領選挙や

また中国の高官の8人のうち7人は赤いネクタイ…

このように赤は人の目を引き付け、赤を着ている人をどこか魅力的に見せてくれる、

ある種「カリスマ効果がある」色といえます。

このような様々な色の効果や影響を知ることは、

あなたを無意識に色にコントロールされる側から、

逆にその利用目的に応じて色を選べる能力を身につけさせ、

あなたの生活の質を高めてくれる効果があります。

 

あなたもぜひ色の勉強をして、その効果を実感してみませんか?

もしご興味ある方はぜひお問い合わせフォームからご連絡ください!