同じ肌の色でも、青を背景として左の方の肌が白く、また右の黄色を背景とした肌の色のほうが赤っぽく見えますね♪(縁の部分がより強く出てます)

皆さんは「パーソナルカラー」って聞いたことがありますか?「似合う色」ともいわれていますね。上の写真は同じ肌の色なのに、背景によって肌の色の見え方違って見えますよね…。そう、、これで綺麗にみえるか、逆に老けて見えたり、黄ばんで病気っぽく見えてしまうか、というのがパーソナルカラーなんです…。

「人によって似合う色が違う」ということを聞いたことがあるかもしれません。また最近テレビなどでも「イエベブルべ」という言葉もよく聞くようになり、「一体何?」と思っている人もいると思いますが、このイエベ・ブルべもパーソナルカラーの用語の一つ

「パーソナルカラー」という言葉や知識は知らなくても、「人によって似合う色が違う」というのは、なんとなく経験されているのではないでしょうか?

例えば、同じ兄弟でも、「上の子供は、赤とかはっきりした色が似合うけど、下の子供はピンクとかの薄い色のほうが似合う」など、同じ兄弟でも、似合う色がちがうんだよね…なんていうこと、よくありますよね。

このように、同じ色でも人によって似合う・似合わない、が違うというのは、実は原因があるんです。

そう、同じ色でも人によっては元気に見えるのに、違う人だと顔色が悪くなんとなく具合が悪そうにみえてしまう、そんな不思議は、色の見え方の不思議によるものなんです。

なぜか顔色が悪く見える服の色やメイクカラーの色ってありますよね…。

ここでは、そんな色の見え方の不思議を見ていきましょう!

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人によって違うパーソナルカラー(似合う色)。実はその原因があるんです。

色の視覚効果

単独でその色を見た時と、背景の影響を受けていたり、配色として色が組み合わせられている時とでは、同じ色でも違ってみえます。

また、ある色を見た後に、別の色を見ると、最初に見た色の影響を受けて、後にみた色が本来の色と違って見えることがあります。

このような空間的、時間的に近接したとき、色の見え方が変化する視覚効果を見ていきましょう。

色の対比

上の図を見てください。

中の色、同じ色に見えますか? 多くの人は違って見えると思います。でも実は同じ色なんです!

色は、このように回りの色の影響で本来の色と違って見えるということが起こります。このように、特に対比と知らなくても、実際に色を見て同じ色でも違って感じることはみんなできるのです。

このように、本来の色と違って見える現象の1つに対比現象というものがあります

色対比とは

色同士の性質の違いが強調されて見える現象を対比といいます。また、対比では、色の三属性のうち、どの属性が最も変化して見えるかにより、色相対比、明度対比、彩度対比に分かれます。

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色相対比では、背景の色と中の色の色相が違い、明度対比では、背景の色と中色の明度が違い、彩度対比では、背景の色と中の色の彩度が違います

対比には、同時対比と継時対比の2種類があります。

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同時対比は、異なる色を同時にみて起こる対比です。上の図のようなパターンで出題されます。それに対して、継時対比は、最初の色をみて、その後にみた色が、最初の色の影響を受けて本来の色と違って見える対比です。試験などで、図として出題されるのは、同時対比になります

同時対比を理解するポイント

同時対比を理解するうえで重要なポイントを押さえましょう。
名称を理解する。
このような図においては、背景の大きな面積の色を「背景色」(または「地」色)、といい、中の小さいな面積の図色(または図)といいます。

対比で、よく見るこの図のそれぞれの名称を理解しましょう。大きな背景の色を背景色、または「地色と呼びます。そして、中の小さい面積のほうを「図色」と呼びます。

図色の変化に注目する。

対比は色と色が接しているところで興るので、背景色も図色も対比現象が起こっています。ただ、小さい図色のほうが、背景色の影響を受けやすく、色の変化がわかりやすいので、基本的な出題のされ方は、図色の変化について問われることが多いです。

背景色と図色において、色の三属性の何が違うかをわかるようにする。

対比現象は、色の三属性の性質の差が強調される現象です。そのため、色相が違えば、色相対比、明度が違えば、明度対比、彩度が違えば彩度対比が起こります。

起こっている対比現象の表現方法を理解する。

色が違って見えていても、それをどのように表現すればよいかがわからない、ということがあります。簡単なのは、明度対比と彩度対比。

明度対比は、明るさの差が強調されるので、本来の色より明度が高く(明るく)見える、もしくは、明度が低く(暗く)見えると表現します。

彩度対比は、彩度差(あざやかさの差)が強調されるので、本来の色より彩度が高く(より鮮やかに)見える、もしくは彩度が低く(穏やかに、またはくすんで)見える、という言い方になります。

色相対比は、色相の差が強調されるので、本来の色みとはずれて見える現象です。この場合、色みの偏りを言う方法は、「赤・黄・緑・青・紫」の5つの言葉に(…みがかる)という言い方になります

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色相対比は色みの変化なので、本来より「赤みがかって見える」とか「黄みがかってみえる」という表現の仕方になります。

色の三属性ごとの対比について

明度対比について

明度が違う色を組み合わせた時にその明度差が強調されて見える現象。図色は本来より明度が高く(明るく)または明度が低く(暗く)見える。

中のグレーは同じ明るさのグレーです。

この図を見てください。中の色、明るさ同じに見えますか? 多くの人は違って見えていると思います。それではこの中の色はどのように見えているでしょうか。

そう、黒の上のグレーは明るく見えて、白のグレーは少し暗く見えていますよね。

この場合、左の図では、黒の上のグレーは、黒とグレーの明るさの差が強調されて、図色のグレーは本来より明度が高い方にずれて見えています。

そして、右の図では、白の上のグレーは白とグレーの明るさの差が強調されて、図色のグレーは本来より明度が低い方にずれて見えます。

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差が強調されるということが理解することのポイントです。図色がどう動けば矢印の距離がのびるかを考えると、色がどのように変化するかがわかりますね。

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日焼けをして人の歯の白さと、色白の人の歯の白さ、どちらの方が白いでしょうか…。そう日焼けをしている人の方が歯が白く見えますよね…。これ明度対比の典型的な見え方です。

彩度対比について

彩度が違う色を組み合わせた時にその彩度差が強調されて見える現象。図色は本来より彩度が高く(鮮やかに)、または彩度が低く(穏やかに・くすんで)見える現象。

この図を見てください。中の色、色みの濃さが違って見えるのわかりますか? 多くの人は違って見えていると思います。それではこの中の色はどのように見えているでしょうか。

そう、左の背景色がはっきりして見える色の図色グレイっぽく、くすんで見え、右の背景色がくすんだ色の図色は青の色みが強く彩度が高く見えています。

この場合、左の図では、鮮やかな色の上にあるブルーは彩度差が強調されて、より低彩度寄りにずれて見え、本来より低彩度に見えます。右の、低彩度の背景色の上のブルーの図色は、その青の色みがより強く強調されて本来より彩度が高く見えています。

このように、彩度が高い背景色の上の図色は、本来の彩度より低くくすんで見え、彩度が低い背景色の上の図色は、本来の彩度より高く鮮やかに見える現象が彩度対比です。

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宝石を見せるとき、宝石の下にある敷物は鮮やかな色にはしないですよね。鮮やかな色にしてしまうと、見せるべき宝石の色がくすんで見えて、商品価値が下がってしまいますね。

色相対比について

色相が違う色を組み合わせた時にその色相差が強調されて見える現象。図色は本来の色みより、心理補色の方向へずれて見える

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対比の中では色相対比がやや難しいので、流れを追って理解していきましょう

この図を見てください。同じv20番の青紫ですが、左のように背景が青の上だと赤っぽく見えて、右の様に赤紫の上だと青っぽく見えますよね。

色相対比は、背景色の心理補色(12色相離れた色)の影響を受けるので、心理補色のほうに引き寄せられる形で図色の色みがずれて見えます

そして、色みの変化を言うとき、

赤(2番)黄(8番)緑(12番)青(18番)紫(22番)の5色相を使って、心理補色に引っ張られる方向の色みに偏るという考え方をします。

そのため今回では、左の青の上の青紫は赤っぽく(もしくは紫みよりに)見え、逆に紫の上の青紫は、青っぽく見える、ということになります。

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色相対比は難しいですね。まずは背景色の心理補色を考えてそちらの方向に図色がずれる、ということを理解しましょう

この図は色相対比の典型的なパターンです。赤の上の橙は、黄みがかって見え、黄色の上の橙は赤みがかってみえる、ということになります。

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この色相対比はパーソナルカラーの根拠の一つです。それはピンクベージュの肌の人が、オレンジの口紅を付けた時と、オークル系の肌の人がオレンジの口紅を付けた時、と同じ。そう、ピンクベージュの肌の人は肌が黄ばみ、オークル系の人は肌に赤みが差します。さて、どちらが健康的にみえるでしょうか…、そうオークル系の人がオレンジの口紅を差した方が健康的に見えるということです!

継時対比

これまでは、色を同時にみている状態で、色が変化して見える、という対比を見てきました。それにたいして継時対比というのは、最初に見た色の影響を受けて、後に見た色が、本来の色と違って見える、という現象です。この例の典型が補色残像です。

補色残像

有彩色をじっと見た後、白や灰色の神に目を移すと、その色と反対の色(補色)が見える現象。形があるものであれば、形や大きさ・輪郭はそのままで、色だけが逆に見える。残像で見える色のことを心理補色といいます

よくテレビなどで見る「手術のシーン」。なぜ青緑の手術着なのでしょうかー?

これは心理補色の効果を上手く使っている例です。お医者さんは手術中は患者さんの血の色を見ていることになるので、もし手術着が白い場合手術着に赤の心理補色である青緑の残像がちらつくことになるので、最初から青緑にしてしまうことで、残像が見えていても手術着の色とかさなってわからないということになり、お医者さんは手術に集中することが出来るようになっています。

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また継時対比の例で、お肉屋さんのお店の壁の色をベージュにしたところ、お肉の売り上げが悪くなった例があります。これはお客さんがベージュの壁を見た後、お肉を見た時、ベージュ(色相番号6番ぐらい)の補色の青系がお肉にかぶって見えて、お肉の本来の赤が紫よりに見えて鮮度が悪く見えてしまったから!商品が映えるようにするためには、色々気を付ける必要がありますね

まとめ

いかがでしたでしょうか。

色は単独でみることは普段の生活の中ではなかなかなく、対比現象は当たり前に起こった状態で私たちは色をみています。このように色が変化して見えることを踏まえて、どのように色を見せたいかを考えられるようにすることが大切ですね。