色彩検定AFT3級 過去問使って検定対策(1)光と色、眼のしくみ、照明と色、混色の続きです

さて、色彩検定 AFT3級 対策ブログ(1)では、色と光、眼の仕組み、照明と色、混色で

2020年冬期に出題された内容と合わせて、試験合格のためのポイントについて解説しました。

この対策ブログ(2)では2020年冬期問題(3)~(6)の「色の表示」について確認していきます。

ここでも、公益社団法人 色彩検定協会発行 色彩検定公式テキスト3級、公益社団法人 色彩検定協会発行 色彩検定過去問題集2・3級 2020年度、財団法人日本色彩研究所監修 新配色カード199シリーズは用意しておきましょう。

色彩検定 2020年の冬の問題をみて覚えることや覚えることを確認しましょう!      問題3、4、5、6

実際の2020年冬の過去問で覚える内容を確認しましょう!

問題3と4は、「色の表示」の中から、色の分類と三属性(公式テキストp32~38)とPCCS(公式テキストp39 ~45)で、問題4はカラー問題として出題されました。

問題5と6はトーンについて(公式テキストp46~48)で、問題6はカラー問題として出題されました。

カラーコーディネーター 涼子カラーコーディネーター 涼子

色の表示は必ず出題されますので、どこから勉強すればよいかわからないという人は、まずはこの色の表示の内容を理解するとよいでしょう!

ポイントとしては

表色系そのものの意味を理解しながら、表色系の1つであるPCCSでの色の三属性(色相・明度・彩度)の表し方や、またPCCSならではのトーンとはどのようなものかを理解することが重要です。

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表色系の種類はたくさんありますが、日本で開発されたPCCSは色を初めて勉強する人にはとても分かりやすく整理されたものなので、AFT3級ではまずPCCSを理解することで、色の三属性や整理の仕方を学んでいきます。

そもそも、「表色系とは何か?」ですが、色はグラデーションで変化するものなので、手立てがないと、整理・分類したり、記憶することや、ましてや同じ色を他者と共有するのは難しいのです。色をわかりやすく整理したものが表色系になります。(公式テキストp38、39)

色彩検定 3級【表色系】

□色の分類・整理・記録・伝達のための基準となる色彩体系のこと

□色立体に色を配置するときに基本的なルールとなるもの

□色を数値や記号を使って表すための基本となる

□物体の色を表すときに使われるものは、カラーオーダシステムと呼ばれる

→問題3Dで、カラーオーダシステムの意味が問われました。

【PCCS】

□日本色研配色体系(Practical Color Co-ordinate Systemの略)

□一般財団法人日本色彩研究所によって開発された色彩体系(表色系)

□色相「Hue:ヒュー」と明度と彩度をまとめた「Tone:トーン」の2つの属性で色を表示する

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PCCSはヒュートーンシステムが特徴の表色系です!

今回の試験問題5Dでヒュートーンシステムが回答の問題が出題されました。

色の分類と色の三属性で覚えること(公式テキストp32) 

今回の試験問題3では、色相環について、等色相面について、色立体について、表色系の(カラーオーダシステムが)が問われました。

また問題3では言葉(文章)で確認するものでしたが、問題4はそれを色で(カラー図版)で確認するものでした。

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この内容は基本の問題なので、用語や色や形式が変わっても、色の三属性、PCCS、トーンの問題が毎回出題されます。色を整理するシステムとしての全体像をきちんと理解することが重要です!

・色は有彩色と無彩色の2種類に分けられる  

□有彩色…無彩色以外の「色み」をもつすべての色 □無彩色…白・灰色・黒のこと(色みはない)


・色の三属性の概念について

色相…色み、色あいのこと □明度…色の明るさ、暗さの度合いのこと □彩度…色の鮮やかさ、穏やかさの度合いのこと

【色相】…色み、色合いのこと(公式テキストp33) □色相環 →色相を虹(スペクトル)の順に環状に並べたもの

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虹には紫や赤紫は含まれていないのですが、赤と青紫を混ぜることで環状にしました。この内容が今回の問題で出題されています。

  

□補色 →色相環上で反対の位置にある色同士(向かい合う2色)の関係

試験問題3Aでは色相環や補色の問題が出題されました。また、補色は問題4Dでカラー問題で出題されています。

さらに試験問題4Aでは、カラー図版で同じ色相を選ばせる問題が出題されています。

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テキストでは色の三属性の概要の説明の後PCCSの色の三属性の表示の説明になっていますが、ここでは属性ごとで確認していきます

  

・PCCSの色相について PCCSでは色相はHue(ヒュー)といいます。(公式テキストp39~41)

24色相で構成されている→色相環上に心理四原色を置き、次にその心理補色に近い色相を置いて、さらにそれぞれ色と色の感覚が等しく感じられるように色相が決められている。

※PCCSの色相環は相対する位置の色は心理補色になっています。

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心理補色とはある色をじっと見つめて、その色を取り去ったときに見える残像の色のことです。 手術着などで応用されていますね♪

  

□各色相には色相番号が付けられており、1番の紫みの赤から時計回りの順に24番の赤紫まである

□PCCSの色相は、色相記号・英語の色相名・日本語の色相名で表示することができる

・今回、問題5でヒューや24色相についてまた、赤やだいだいの色相番号が出題されています(公式テキストp39~41)

【明度】…色の明るさ暗さの度合いのこと (公式テキストp34) ・明度スケール 最も明度の高い色を白、最も明度の低い色を黒として、その間に上から軽い順に灰色を置いたもの。(縦の軸で表される)

→問題4、Cで、明度差がある色の組み合わせとして、カラー図版で白黒の組み合わせが答えの問題が出ました。

□明るい色ほど「明度が高い」暗い色ほど「明度が低い」と表現する

□高明度(明るい色)、中明度(中ぐらいの明るさの色)、低明度(暗い色)の3つに分けて表すことができる

□明度スケールと比較して、同じ明るさを見つけることで有彩色の明度を測ることができ、明るい順に灰色を置いたものを明度スケール(グレイスケール)という

・PCCSの明度について PCCSでは明度をLightness(ライトネス)といいます。(公式テキストp42)

□白から黒までのグレイスケールを基準とする

□現実の最も明るい白を明度9.5とし、現実の最も暗い黒を明度1.5として設定

□白から黒の間に明るさの変化が等間隔に感じられるように15色の灰色を挿入する

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明度段階は0.5刻みで表示されています!

  

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今回明度のみの問題は出題されませんでしたが、明度も出題傾向は高いところなのでしっかり理解しておきましょう!

  

【彩度】…色の鮮やかさの度合いのこと(公式テキストp35) □色みが強く鮮やかな色ほど「彩度が高い」色みが弱く少ないほど「彩度が低い」と表現

□高彩度・中彩度・低彩度の3つに分けて表すことができる

□無彩色と彩度の最も高い有彩色とを割合を変えて混ぜた時の変化が彩度の変化

*彩度は横軸で表され、無彩色から遠ざかるほど彩度が高くなる。

→問題4Bで、彩度が最も高い色をカラー図版で回答させる問題が出ました。

・PCCSの彩度について PCCSでは彩度をSaturation(サチュレーション)といいます。(公式テキストp42)

□PCCSの彩度は「鮮やかさ感」を表す

□現実の色材でそろえて作ることのできる最も鮮やかな色を9s(純色)とする

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純色とは最も彩度が高い色のことを言います

  

□9sの色と同明度の無彩色(灰色)との間を変化が等しくなるように段階的に彩度を表す

□彩度の表示は、数値の後ろにSaturationの頭文字のs(小文字)をつけて表す

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明度も数字で表すので、数字の後にsをいれることで彩度の値とわかるようになります。→例9sのように表示します。

  

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色を見た時に、その色を三属性でとらえることが大切で、今回の試験問題でもカラー図版の色で何明度で何彩度かの問題が出題されました。

 

問題4Eで中明度、高彩度の色を選ぶ問題が出題されています。

【PCCSの三属性による色の表示】(公式テキストp43)

□有彩色は「色相記号」ー「明度」ー「彩度」の順に連記する

※各属性の間にー(ハイフン)を入れて表示する  例)純色の赤 2:R-4.5-9s

□無彩色は明度を表す数字の頭に小文字 nをつける  例)明度4.5の灰色 n-4.5

【色立体・等色相面で覚えること】

【色立体】… 色の三属性(色相・明度・彩度)を三次元化して色の変化を空間上に示したもの。(公式テキストp38)

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色立体や等色相面は、公式テキストの図を見ながら確認するとわかりやすいですよ!

□色立体の明度 

・縦軸…色立体の中心軸に無彩色の明度スケールが置かれている

・明度の違いは高さで示される

・白は最も上、黒は最も下に配置されている

・上に行くほど高明度、下に行くほど低明度

□色立体の色相 

・中心軸の周りにいろいろな色相の等色相面が色相環の順に並んでいる

・中心からどの方向にあるかで示す

□色立体の彩度

・横軸

・中心軸の無彩色からの水平距離で表す

・中心軸に近い色ほど低彩度、離れるほど高彩度。最も離れた外周に純色がある

【PCCSの色立体】(公式テキストp45)

□特徴…上から色立体を見ると

・円周の各方向に色相の違いがある

・外周は最も鮮やかな純色(vトーン)の色相環になる

・正円になる…どの色相も最高彩度は9sで、中心軸(無彩色)からの距離が等しい

□特徴…横から色立体を見ると

・色相によって純色の明度が異なる

・球を斜めに歪めたような形をしている。

※色立体を中心軸に沿って縦に切断すると、無彩色の明度段階の左右に補色の関係となる等色相面が配置される

問題3CでPCCSの色立体について出題されています。色立体の中心軸は無彩色になるという問題でした。

【等色相面】… 色相が同じ色を1つの面で表したもの(公式テキストp36)

・色立体を中心軸に沿って縦に切断すると現れる面

・縦の並びが明度の変化、横の並びが彩度の変化を表す

問題3Bで等色相面について出題されています。同じ色相で明度と彩度の変化を表したものが等色相面、が答えでした。

【PCCSの等色相面】…同じ色相の色の明度段階と彩度段階を規則的に配置したもの(公式テキストp43)

□特徴…等色相面の形は、色相により異なる

→黄の等色相面は明度が高いため、全体的に高い位置にある

→青や青紫の等色相面は明度が低いため、全体的に低い位置にある

□特徴…純色の彩度は、どの色相でも9sで等しい

トーンで覚えること(公式テキストp46~48) 

トーンはPCCSの最も特徴的なものになるので必ず出題される内容です。定義としての意味や、トーンの概念図の仕組みなどしっかり理解しましょう。

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公式テキストp37にある、純色・清色・中間色は、PCCSのトーン(公式テキストp48)で意味を理解するとわかりやすいのでトーンでこれらの用語を覚えていきましょう。

□明度と彩度を複合してとらえた概念をトーン、または色の調子(色調)という

□同じような印象やイメージを持つ明度・彩度の領域をまとめたもの

□同じトーンの色は、色相が異なっても共通した印象やイメージを与える。

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公式テキストp47のトーンの概念図を見て、確認しましょう!

□トーンの種類と分類 … 有彩色12分類 無彩色5分類

※有彩色においてはトーンの略記号、カタカナ表示、トーンの意味はまた、トーンの概念図でどの位置になるかを必ず覚えておきましょう。(余力があればトーンのイメージも見ておけると理想的です)

□トーンによる色表示…トーン記号→例)v2(vはトーンの略記号、2は色相番号)

□純色…最も彩度が高い色 有彩色の各色相の中で最も鮮やかな色…vトーン

□明清色…純色に白を混ぜた色…bトーン、ltトーン、pトーン

□暗清色…純色に黒を混ぜた色…dpトーン、dkトーン、dkgトーン

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純色に白か黒を混ぜた色、つまり明清色と暗清色をまとめた色を清色といいます。

□中間色…純色に灰色を混ぜた色…sfトーン、dトーン、ltgトーン、gトーン

中間色は濁った感じがするので、「濁色(だくしょく)」ともいわれます。

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有彩色の12個のトーンについて明度、彩度の領域ではどこになるかを確認しましょう。例えばpトーンは高明度、低彩度の色になりますね

・今回、問題5ではトーンについての問題がメインになっています。トーンの意味や各トーンのイメージとトーンを使った表示方法が出題されています。(公式テキストp46~48)

・また問題6ではトーンを使ったカラー問題が出題されています。ソフトトーンやダークトーンの色を4択から選ぶ問題や同じトーン同士の組み合わせや彩度が同じで明度領域が対照的なものなどが出題されました。

つまり、具体的に示された色がどのトーンか、またその色の明度・彩度における領域はどこか、またトーンの概念図の各領域は何トーンになるかなどの問題です。問題6で出題された色は必ず配色カードの実際の色を目で確認して特徴を色で覚えていきましょう。(公式テキストp46~48)

*カラー問題の解き方ですが、だいたい4択のうち2択は割と明らかに違うとわかる場合が多いものです。つまり2択問題として、より設問の内容がわかる特徴を思い出し選んでいくとよいでしょう。(たくさんの選択肢から選ぶよりもAかBかどちらか、という風に2択にしたほうが、答えを絞りこみやすくなります)
例えば、問題6Aはソフトトーンを選ぶ問題ですが、明らかに③や④は違うと判断できます。そのうえで①か②を選ぶわけですが、ソフトトーンは中明度・中彩度の色なのであまり、濃くも暗くもないわけです。またソフトトーンは中間色なので少しくすんだ(ややグレイッシュ)色だと思えれば、その要素の色の②を選べるかと思います。

配色カードで練習するときも、ただ色を見るだけではなく、言葉の特徴を実際の色でわかるようにする意識で確認できるとよいですね。

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配色カードを使った練習の時、色は1色だけを見てもわかりづらいものなので、違う色と比較しながら、色の三属性で何が違うかなどを確認する練習をするとよいですね。

 

*お疲れさまでした。

いかがでしたでしょうか?

表色系はとても重要な内容なので

必ず出題されます。テキストと合わせてしっかり復習しましょう。

 

問題7以降の内容も、また次のブログでまとめますね!