「色」というと、私たちは、美しいイメージを持つことが多いと思います。
季節ごとの景色の色やファッションの色、食べ物の色などなど。
しかし色は、そうした美しさだけではなく、色は私たちの生活の中で、様々な働きをしています。
色彩検定2級では、まずは色にどのような働きがあるのかを整理していきます。
色の働き
色の働き
色には大きく分けて2つの働きがあります。
1.機能的な効果
対象を見やすくする→ 例)重要な部位を赤くすると目立つ。
区別しやすくする → 例)路線図の路線を色分け
その状態や状況の意味を伝える → 例)野菜や果物の熟し具合など。
2.情緒的な効果
印象をもたらす働き→洋服やインテリアなどの人工物の色から、自然の色まで、様々な印象や気持ちを受け取る。
わかりやすさを高める機能的効果の種類
①誘目性(ゆうもくせい):注意を向けていない対象の発見されやすさ。その環境においてある対象が人目を引き付ける度合い
視覚表示で危険や禁止など、すべての人に伝達する必要があるときに求められますね
誘目性が高い色の条件 有彩色(特に高彩度)>無彩色/ 暖色系>寒色系
②視認性(しにんせい):注意を向けて対象を探すときの発見のしやすさ 対象の認めやすさ
視覚表示において、多くの人が利用する案内表示などに求められます。
視認性が高い色の条件…背景色と対象の色の明度差が大きい配色が効果的 例)黒と白、黒と黄色
黒と黄色の組み合わせは誘目性が高いため、JISの安全色の規格で、黄の背景に黒字で表示することになっています。
③明視性(めいしせい)④可読性(かどくせい):発見された対象の意味の理解のしやすさ
・明視性…図形細部の捉えやすさ
・可読性…文字・数字の読みやすさ
明視性や可読性が高い条件…対象の色で決まるのではなく、背景との色の関係で決まる。
背景色と対象の色の明度差が大きい配色が効果的です。
例)JIS規格 非常口誘導灯→「安全」は白と緑…火災の時に図形がはっきり目立つように配色する。
表示の誘目性や視認性、明視性や可読性を検討する際には、照明などの環境変化のことを考慮する必要があります。
⑤識別性(しきべつせい):複数の対象の区別のしやすさ。
情報量が多く複雑な視覚表示の場合、色で識別させることが効果的。この場合、色の印象や知識を活用して違いを分かりやすく伝える。
例)地下鉄の路線図、蛇口の温水は赤、冷水は青、など
ただし、色わけに多くの色を使いすぎると色の区別がわかりにくくはなりますね
まとめ
いかがでしたでしょうか。
色は、ただ美しいということだけではなく、このような機能的な効果があります。
そしてこの機能的効果の内容の中には、危険を知らせるものや緊急性のあるものもあり、大切な情報を瞬時に知らせるために、色が果たす役割はとても大切なものになります。
こうした、緊急性を知らせる場合、多くが明度差の大きな配色にすることで、色々な人にとってわかりやすいものになるので、組み合わせの仕方をよく理解しておくことがとても大切です。