色彩検定2級、1級(5)配色の応用では、共通する要素でまとめる統一的なイメージの配色についてみてきました。
ここではコントラストのある配色技法についてみていきたいと思います。
色彩検定 色相環の分割および色数の配色
ビコロール配色&トリコロール配色
配色を構成する色数が決まっている配色があり、その代表的なものが「ビコロール配色」「トリコロール配色」です。
これらは、明快なコントラスト感のある配色でどちらも高彩度の色や対比的な無彩色を組み合わせることがポイントです。

変化を出すには明度差をつけることがポイントです。
ビコロール配色
特徴
- コントラスト感のある明快な2色配色
- ビコロールとは、フランス語で「2色の」という意味
明度差のある対照トーン配色・高彩度と無彩色を組み合わせた配色
配色例 ・高彩度同士の対照的な色相配色 例)ユニフォームのボーダー柄のような2色配色

配色例 ・国旗の赤と白のようにコントラストのはっきりした2色配色

配色例 対比的な無彩色同士の配色
トリコロール配色
特徴
- コントラスト感のある明快な3色配色
- トリコロールとはフランス語で「3つの」という意味がある
配色例 ・高彩度色と白や黒の配色例)フランス国旗(青・白・赤)イタリア国旗(緑・白・赤) ドイツ国旗 (黒・赤・黄)
色相の分割による変化の配色
色相環を規則的に分割することによる配色技法です。
色相感情で色相感覚が均等に離れた関係で、その多くがジャッドの「明瞭性の原理」に基づく、対照系の色相配色になります。
特徴
- 色相環を規則的に分割する配色方法。(色相の間隔が均等に離れた関係)
- 2色配色から6色配色まであり、それぞれの配色に名称がついている

色相分割の配色は色相差が正しければトーンは自由に使えるのが特徴です

色相分割では、名称、配色する数、色相差(数字、角度)をまとめて覚えましょう!
1 ダイアード(2色配色)
特徴
- 色相環を2等分し、対極にある色相を組み合わせた配色。
- 補色色相配色(コンプリメンタリー配色)
- 24色相分割のPCCSでは12色相間隔(180°)


2 スプリットコンプリメンタリー(分裂補色配色)
特徴
- 補色(コンプリメンタリー)の片方を分裂(スプリット)させるという意味
- ダイアード(補色対)の片方の色相を両隣の2色に分裂させて組合せる配色。
- 分裂させる2色の色相差は左右均等とし、1~2色相の範囲までを使う。
- 配色に使用する色相は、色相環に内接する細長い二等辺三角形の頂点に位置する関係となる。



スプリットコンプリメンタリーでは中央の位置に離れた色を取り入れるのが基本の配置です。

スプリットコンプリメンタリーは補色分割なので本来11色相差と組み合わせるのが良いのですが、それだとvトーンしか使えないので、18色相差の組み合わせもスプリットコンプリメンタリーになります。
3 トライアド(3色配色)
特徴
- 色相環を3等分にする配色。
- 配色に使用する色相は、色相環に内接する正三角形の頂点に位置する関係。
- 24色相分割のPCCSでは8色相間隔(120°)となる。
- 色相の位置関係が均等なバランスの良い対照色相配色。

4 テトラード(4色配色)
特徴
- 色相を4等分にする配色。
- 配色に使用する色相は、色相環に内接する正方形の頂点に位置する関係となる。(90°で直行する2組の補色配色)
- 24色相分割のPCCSでは6色相間隔(90°)となり、隣り合う色相は中差色相の関係になる。

5 ペンタード(5色配色)
特徴
- 色相を5等分にする配色。
- 配色に使用する色相は、色相環に内接する正五角形の頂点に位置する関係となる。
- トライアド(3色配色)に白と黒を組み合わせた配色もペンタード配色である

PCCSの色相環は24色相環なので、5等分するペンタードは作れませんが、マンセル表色系の色相環は10進法なので、正五角形の色相が得られます。基本5色相の「赤・黄・緑・青・紫」はその代表的な配色です

6 ヘクサード(6色配色)
特徴
- 色相を6等分にする配色。
- 配色に使用する色相は、色相環に内接する正六角形の頂点に位置する関係となる。
- 24色相分割のPCCSでは4色相間隔(60°)となり、3組の補色対を組み合わせた配色となる。
- テトラード(4色配色)に白と黒を用いても良い。



色相分割では秩序性を保つため、色相差4のヘクサードまでが限界としています
※
- 色相分割による配色は、配色名と、色相環を何分割した配色なのか、また色相環にできる形(正三角形・正方形など)を整理して覚えましょう。
- 色相分割による配色は、色相の取り方にはルールがありますが、トーンは自由に選ぶことができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
配色は共通性を持たせた統一感のある配色か、色相やトーンで差をつける変化の配色かでまとめることが基本です。それぞれの名称と配色としての特徴を理解し、配色名称で具体的にどのような色の組み合わせになるのかをイメージできることが大切です。
配色練習を行い、イメージできるようにしてみてください。