私は以前ある駅のホームで、外国の人に自分の行きたい場所に行く電車を教えてほしい、と声をかけられて、その電車を教えたとき、その人から「どのような仕事をしているのか?」と尋ねられ
カラーコーディネーターの仕事をしている、というととっても不思議そうな顔で
「色は赤とか黄色、緑とかの違いがあるだけではないか?」と聞かれました。
それで、「同じ赤でもいろいろな赤がある」という話をしてインテリアカラーなどを選ぶとき、その色の特徴の違いがとても大切と話したのですが、納得したような、しないような…顔をその人はしていました。
その時、私は「色を勉強していない人の感覚ってそうなんだなぁ」と改めて思いました。
一般の人は「赤」といえばそれで済むと思っているのだと思いますが、色の仕事であれば、「どんな赤か」のどんなが、とっても、とっても大切なんです。
つまり、同じ赤でも様々な赤があることを理解していること、そしてその特徴の違いは、微妙な違いでも、その印象やイメージには大きな影響を与えること
これを理解していないといけないのです!
ということで、
ここでは色の勉強で最初に理解する必要がある「色の整理の仕方」を説明していきます。
色の微妙な違いや色を記憶したり整理できる方法を理解しましょう
1.色の微妙な違いを3つの特徴で理解する!
例えば、同じ赤でも、トマトの赤のように黄みが強い赤もあれば
ラズベリーの赤のように紫みの強い赤もあります。
また赤に白を混ぜたピンクは明るい赤という言い方もできます。
このように一口に赤といってもさまざまで
例えば、、赤の服は嫌だけど、ピンクの服なら好き、というように特徴の違いで印象やイメージが大きく違うので
色の特徴を理解することはとても大切になります。
色の特徴がわかると、自分がイメージしている色を相手に伝えたり、また整理したり記録することがしやすくなります。
そう、自分がイメージした色を正しく伝えることは、実はかなり大変なこと!なんです。
2.色の名前だけでは正確に色の違いを伝えることは難しい!
例えば、「水色」といったとき
聞いた人は明るい青の大まかなイメージは出来ますが
ティファニーブルーのようにちょっと緑がかった色を想像する人もいたり
スカイブルーのような色を想像する人もいます。
要は「水色」でも、どんな水をイメージするかは人によって違うのでまったく同じ色を他人と共有してイメージすることは大変難しいのです。
(実際の色を見せられるのならば問題はないのですが見せられないことのほうが多いものです。)
3.色の三属性 ①色相(しきそう)
ということで色の特徴というのは3つの特徴をまずは覚えましょう!
一つは色相(しきそう)といって色み、色合いのこと。
皆さんがよく知っている赤とか黄、緑、青、紫といった色みの特徴です。
この色相には、それぞれ色相番号といって背番号のように番号がついています。
このように色みを番号で表すことで、同じ番号の色は同じ色み、とわかります。
※色相番号については、公益社団法人色彩検定の公式テキストで確認しましょう!
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例えば、下の写真はどちらも同じ緑の色相になります。
受験を考えている人は、この色相環の番号とその色み(色相名)をリンクして覚えておくことが必須です。つまり赤といわれたら色相番号2番、色相番号8番といわれたら黄色!というように、色みと色相番号を一致できるようにしておきましょう!
4.色の三属性 ②明度(めいど)
もう一つは明度(めいど)ですこれは、明るさ暗さの度合いのこと。
白から黒までの無彩色の軸は、この軸を基準に同じ明るさの有彩色も整理することができます。
そのため、この無彩色の軸をグレースケールとも呼びます。
この明度軸は黒が1.5でそれから数字が大きいほど明るくなり最も明るい白が9.5と設定されています。
数字が大きくなるほど明るくなるんですね!
そして、明度は3つに分けて
高明度=明るい色
中明度=中くらいの明るさの色
低明度=暗い色と(高・中・低)で表します。
つまり、高明度な色というと明るい色、
低明度な色というと暗い色ということになります。
カラーコーディネーターは、実際の色を見た時、高明度な色、中明度な色、低明度な色、という3つの分け方で、その明るさの感覚をとらえられることが必須になります!
5.色の三属性 ③彩度(さいど)
最後は彩度(さいど)といって色みの鮮やかさを表したもの。
例えばグレイッシュな赤もあれば鮮やかな赤もあり同じ赤でもどれだけ赤の色みが含まれているかを表したものです。
彩度も数字で表していますが無彩色を0sとして、最も鮮やかな色が9sで表示します。
0sのsは、saturation(サチュレーション:飽和度)の頭文字のsです。明度も彩度も数字だ表すので、小文字のsを付けることで彩度の値とわかるようにしています。
そして、彩度も、低彩度=色みをあまり感じない色、中彩度=中くらいの色みを感じる色、高彩度=色みを強く感じる色と、鮮やかさの感覚も
低・中・高で表しますす。例えば、低彩度の色といえばあまり色みがはっきりしない色になります。
そして高彩度の色といえば、色みの特徴がしっかり出ている色ということになります。
彩度の感覚は慣れないうちは難しいのですが、カラーコーディネーターは、明度と同様に、実際の色を見た時、高彩度な色、中彩度な色、低彩度な色、という3つの分け方で、その鮮やかさの感覚をとらえられることが必須になります!
6.まとめ
この3つの特徴があれば、どのような色なのかがわかり、同じ色のイメージが共有しやすくなります。
ただ、普段あまり色の三属性で色をとらえることはしないと思うので、
慣れないとわかりづらいかと思いますが色を扱う場合、その色の特徴を三属性で理解できることは基本の㋖。
皆さんも三属性で色をとらえられるようにしてください。
色の仕事をしたい人は特に、色の三属性の特徴がわかるかが大切なポイントになります。
例えば、
この色を色の三属性でとらえると、どうなるでしょうか・・・?。
答え:色相→色相番号4番ぐらいなので…赤みのだいだい
明度→中ぐらいの明るさなので、、中明度
彩度→中ぐらいの鮮やかさなので中彩度 →だいたいダルトーンの4番ぐらい…!というとらえ方ができるように訓練することが色感をつけることです。
配色カードを使って訓練すると色感が上がるようになりますよ!
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自分の持ち物の色を、色の三属性に置き換えてみる練習をすると、検定試験のカラー図版問題も回答できるようになりますよ!