6月というとジューンブライドという言葉がありますね。
そもそもジューンブライドとは、古くからヨーロッパで「6月に結婚する花嫁は幸せになれる」とされる言い伝えのことなんです。
ここでは、なぜジューンブライドは幸せになれるのかという話をしていきます。
ジューンブライドの由来
1.ローマ最大の女神ユーノーを由来とする説
意味や由来については諸説ありますがローマ神話の主神・ユピテル(ギリシャ神話のゼウス)の妻であるローマ最大の女神ユーノー(ギリシャ神話のヘラ)を由来とする説が最も有力です。
ユーノーはローマ神話で女性の結婚生活を守護する女神で、主に結婚、出産を司る神様です。また、女性の守護神であるため月とも関係があります。
ユーノーはローマの主神ユピテル(ギリシア神話ではゼウス)の妻であり(実は姉でもある…)、女神の中の最高神です。
ユーノーの聖鳥は孔雀と鶴とかっこう
聖獣は牝牛
また、ユーノーの象徴はユリとザクロとりんごと松明です。
絵画などでユーノーを描くときに一緒に書かれているので、ユーノーの絵とわかります。
ユーノーは結婚や出産、育児の象徴とされており、女性や子供、家庭の守護神とも言われてます。
またローマ神話では1月から6月まで、それぞれの月を守る神がいますが、結婚の象徴であるユーノーが守っている月が6月とされています。6月は英語でJune、ユノはアルファベットでJunoと書きます
(このことからも、ユノが6月の英語名ジューンの由来となっているのがわかりますよね)
「6月に結婚すると幸せな結婚生活を送ることができる」と言われる理由は、結婚の女神ユーノーが6月を守護していることが
深く関係しているといわれているからといわれています。
2.農作業が終わるのが6月だった説
かつてヨーロッパでは、農作業の妨げとなることから3月~5月の結婚が禁じられていました。
その理由により、結婚が解禁となる6月に結婚式を挙げるカップルが多く、祝福ムードいっぱいだったそうです。
結婚を待ちわびていた多くのカップルが結婚式を挙げたことをジューンブライドの由来とする説もあるそうです。
ジューンブライドにふさわしい結婚式の花
いずれにしても6月に結婚式を挙げる方には白いユリの花のブーケがおすすめです。
というのもやはりユリの花は先ほどのローマ神話の女神「ユーノー」を象徴する花だからです。
ユーノーは結婚と出産の守護神とされていますが、本人は夫ユピテルの浮気に悩まされ、相手の女性たちに嫉妬し、数々の残酷な復讐劇を演じます。「ユーノーとヘラクレス」
夫ユピテルの浮気相手は女神やニンフばかりでなく、人間の女性もいました。その一人がアルクメネという女性です。
彼女とユピテルとの間に、英雄ヘラクレスが誕生しますが、アルクメネはユーノーを恐れてヘラクレスを捨ててしまいます。
そこで捨てられた赤ん坊にお乳をやるように、女神ミネルヴァ(ギリシア神のアテナ)がユーノーをさとしますが、
なにぶんヘラクレスは夫の浮気相手の子供、ユーノーは拒否します。
そこでメルクリウス(ギリシア神話のヘルメス)がユーノーの寝室に忍び込み、赤ん坊に乳房をふくませるのですが、
赤ん坊があまりに強く吸ったため、ユーノーはびっくりして起き、赤ん坊をはね除けてしまいます。
この時ほとばしり出た乳が天の川になったとのこと(英語Milky Way、仏語Voie lacteeなどはこの物語が起源といわれています。)
この天の川から地上に滴った場所からユリが生えたといわれています。
ちなみに、ヘラクレスはユーノーの母乳を飲んだので不死身になりましたが、その後、ヘラクレスはユーノーから酷い嫌がらせを受けるのですが試練を乗り越えて英雄の中でも最大の存在となりのちに神として天界に迎え入れられました。
ユリは聖母マリア様の象徴でもある
ローマ人はユリを聖花として賛美し,希望のシンボルであると同時に王位継承者の印ともなりました
またユーノーは、自らの聖なるユリを用いて、夫ユピテルの力を借りずに軍神マルスをみごもったとされています。
したがって、ユーノーは「聖処女ユーノー」とも言われたようです。
この話からユリはキリスト教においても聖母マリアの受胎のシンボルとして用いられました。
一部の文献によると、神の精液は、ガブリエルが手に持っていたユリの中を通って、マリアの耳から彼女の体内へ入っていったといわれています
そのため、ユリは聖母マリア様の象徴にもなっています。
ユリの効能
さて、そのユリですが初夏から夏にかけて、花屋さんで目にすることが多くなります。
とても優雅な香りを放ち1本でも3~4つのつぼみを付けるので、香りを楽しむには1本でも十分ですね。
ユリの香りは、副交感神経に働くので、なかなか寝付けない、眠りが浅い人やリラックスしたい人におすすめのお花です。
睡眠に関して悩みがある人はユリを寝室に飾ることによって、良質な睡眠がとれるようになるといわれています。
ただ、もし香りが強すぎると気になるかもしれませんので、部屋の広さなどでお花の数を調整してください。
寝室に入った時ふんわり香るくらいがベストです。
特にユリの花を飾るときは家をリラックスできる空間にしたい、食欲を抑えたい方はリビングに。
肩の力が抜け、心に余裕を持った状態で優雅に過ごすことができます。
芳香剤としてユリを飾るのもおしゃれですね。
ただしなるべく食事をする場所の近くに飾ることはやめましょう。
香りが強いので、食事の邪魔になることもあるかもしれませんので気を付けてください。
ユリの花ことば
ユリというと真っ白な花を思い浮かべる方も多いと思いますが、ユリにはたくさんの色や種類があります。
白・ピンク・黄色・オレンジやツートンになっているものまで、さまざまな色や種類があります。
他の花同様にユリも色や種類によって花言葉が違うので気を付けてください。
ユリ全体での花言葉は「純潔」「無垢」なので、結婚式にもぴったりですね。
色や種類別に花言葉を見ていきましょう。
1.色別花言葉
白:純潔
ピンク:虚栄心
黄色:偽り、陽気、不安
オレンジ:軽率、華麗
黒:愛、呪い
2.種類別花言葉
カサブランカ:純潔、高貴
クルマユリ:純潔
テッポウユリ:純潔
ササユリ:上品
カノコユリ:上品
スカシユリ:飾らぬ美
ヤマユリ:荘厳
オニユリ:賢者