カラーコーディネーターの仕事というと、皆さんはどのようなイメージがありますか?
というのが
一般的なイメージかと思いますが、
企業での商品の色の提案や研修やセミナー、
また各種学校での色彩の授業などがあります。
そしてパーソナルカラーはただ「似合う色の提案」だけではなく、
自分の外見としての魅力を知ることで、
似合う色を使って、自分の演出方法を仕事にも活かす
「人材育成」の提案をすることもできます。
ここでは、カラーコーディネーターにはどうすればなれるか?
という話をしていきます。
カラー講師育成の講座で伝えてきたことを皆さんにお伝えします!
1.カラーコーディネーターになるために必要な資格。
カラーコーディネーターとして仕事をするために一番基本となるのが、
まずは当然、「色彩の知識」があること!
そして「色の知識がある」という証拠をわかりやすく提示できるのが
色彩の資格を持つことになります。
それが最も一般的で効果も大きいです。
資格があれば、あなたは何も説明せずとも
「色の知識がある」と他者に伝えることができます。
そして現在、色彩の資格はいろいろありますが、最も有名なのが
公益社団法人色彩検定協会が行っている「色彩検定」と
価格:2,420円 |
価格:2,970円 |
東京商工会議所が行っている
「カラーコーディネーター検定」です。
カラーコーディネーター検定試験スタンダードクラス公式テキスト [ 東京商工会議所 ] 価格:3,410円 |
カラーコーディネーター検定試験アドバンスクラス公式テキスト [ 東京商工会議所 ] 価格:5,830円 |
それぞれ初級の3級から最上級の1級までがあり、
段階的に色彩の勉強をしていくことになりますが
どちらの資格を持つにせよ、
カラーコーディネーターの仕事をする場合、
資格は必須!です。
分野によっては、資格なんて「机上の空論!」といわれる分野も
もしかしたらあるのかもしれませんが、
あなたが
カラーコーディネーターとして仕事をしたい!
という思いがあるのなら、資格は絶対必要になります。
2.資格が必要な理由。
その理由は主に3つあります。
1.企業や学校等での仕事の場合、担当する講師の「色の資格証」のコピー提出が求められる、ということ。
仕事として依頼される場合、
確実に色彩の知識があることを
証明しなくてはいけない場合が多いので、
履歴書とあわせて職務経歴書と
色の資格証(コピー)を求められることが多いです。
特にあなたが公共団体系や大きな企業、
また、学校の仕事をしたのであれば、
必ず資格証明の提示が必要となると思っておくとよいでしょう。
2.受講生に資格の有無を問われることが多い。
「先生は、色の資格をもっているの?」
「何級もっているの?」
私が行ってきたクラスで、7割方、受講生から質問される内容です。
まぁ、皆さんも受講生の立場になったとき、
どんな先生が教えてくれるかは
当然興味のあるところですよね。
この時、「私は資格はないよ」となったとき、
果たしてあなたは、そういう先生から資格の講座を受けたいと思うでしょうか?
また、受講生は
教えてくれる内容に対する知識の深さや講義への興味づけ
(受講生に色彩に対してどれだけ興味を持たせる説明ができるか)
についてがやはり一番関心のあるところ。
つまり、知識があることは当然として
「こんな楽しい色の世界を、ぜひわかってほしい」という
その色に対しての熱意や想いについては最も生徒は敏感に察します。
この先生大丈夫?って思われたくないですよね
3.学校での色彩講座の依頼は検定取得講座が多い。
多くの学校、特に専門学校では、
資格取得講座として色彩の講座があることが多く、
それがカラーコーディネーターとしての仕事としてのキャリアとなる可能性がとても高いです。
その場合は
その資格を主宰している公式テキストを使うことが必須になります。
また、色彩講師であればテキストの内容を理解していることは
もちろん大切ですが、理解しているだけではなく
きちんとその内容をわかりやすく解説することが大切。
つまり講師はテキストをただ読めばよいだけではありません。
テキストを読んでいるだけなら、単なる朗読会ですね!ただ実はそういう講師が案外多いのです。
そんな授業なら受講生にとっては、自分で独学していることと同じことです。
講師である以上、内容について解説ができること!
それが本当にとてもとても大切なんです。
つまり、
なぜその内容を勉強する必要があるのか、
その知識を理解するとどのようなメリットがあり、
どのような場面で具体的にどのように使えるのか
試験対策なら、どのような試験が出題されるか、
また覚えるべき内容の優先順位や
覚え方はどうすればよいのか?
このような説明ができて初めて
「ライブで講義をする意味」が出てきます。
特に試験対策の講座であれば、自分の体験談を交えた説明が受講生にとっての
生きたアドバイスになるため、
資格試験取得を自ら経験して自分の言葉で説明できることが必要です。
自分の言葉で体験談が話せると良いですね!
3.色の提案が仕事になる理由
さてカラーコーディネーターの仕事は、
色彩の講座以外では企業への色の提案などがあります。
なぜ色の提案が仕事になるのでしょうか?
それは商品開発等を行う際、よくある話なのが
案外、商品の色の決定って、最後に担当者の「なんとなくの感覚」で決められてしまう!ということが多いんです。
また、ある程度、計画通りある程度進んだとしても、
担当者同士で最後の色で、意見が割れて
なかなか商品の色が決まらないということが実に本当によくある話なのです。
実際に起こった話で、ある企業の商品計画で、ほとんど商品の色が決まっていて、
最後に役員等へのプレゼンテーションのときに
なぜその色にしたのか?と理由を聞かれたときに
きちんと説明できず
結局社長の一声でもう一度最初からやりなおし、と
なったなんてこともざらにある話なんです。
それが理由で色の勉強をしたいと思った生徒さんも多かったです!
つまり仕事では、
提案した色の根拠や理由を
きちんと説明して社内でのコンセンサスを得ること、
そしてさらには消費者に商品のコンセプトを、「色を通して」
わかりやすく伝えられるようにすることが
ビジネスではとても大切なポイントになります。
特に商品では色が売り上げに直結することが多いので、
商品の色を決めるのは思っている以上に実はとても大切なことなのです。
そう色の決定は「最後に感覚で行えばいいや」的なやり方だと結局うまく決まらないことになります!
4.センスの良い人が色を決めればいい、というわけではない!
と思う人も多いかもしれませんが、
個人的なセンスだけでは色は決められないのが実情です。
特に個人のセンスというのは、
どうしてもその人の好みに偏りやすいという
デメリットもあり、
いつも同じような色になってしまう
ということが多くあります。
つまり、商品はさまざまな目的や用途があり、
それにかなった色でなくては売れないので、
センスの良い人が、
自分の好きな色に勝手に決めるのではなく
目的や用途に合った色にする、ということが一番大切なポイントなんです。
センスはあくまでも個人の嗜好なので、全ての人が好むわけではありません。より多くの人に納得してもらうためには提案した理由や根拠をきちんと説明できることが大切になります
また商品の色を提案する場合は、
マーケティング力や
世相の動向も理解したうえで
色を提案する力が求められます!
そのためには
基本となる色の知識があることはもちろん、
色を整理する力や
色そのものを見分ける力(色感)が必要になります。
5.色感は色を見る訓練で養われる。
人は色を
「750万色~1000万」見分けられるといわれています。
言ってしまえば、色を見る訓練をしなくても
普通に750万色は見分けられるそうですが、
例えば、パーソナルカラーでは
人の肌の色や、髪の色を見分ける力や
インテリアでは
壁材の微妙な色を見極めて、色の提案するので、
カラーコーディネーターとしては
たくさんの色を見分けることができる力が
とても大切になります。
つまり、
それだけの色感(色感とは色の違いを見分ける力のことです)を
身につけるには、
日々、どれだけ色をみて、
それぞれの色の違いを
特徴として理解できているか!と
いうことが、とても大切になるので、
まずは色を見る訓練がとても必要です!
カラーコーディネーターは色を分析する力と提案するプレゼン力が必要です!
6.色彩検定は知識とともに色感が問われる!
特に公益社団法人 色彩検定協会が行っている
「色彩検定」では
色感を問う問題が多いため、
色彩検定に合格するには色を見る訓練を沢山して色の違いを見分けられることが
とても大切になります。
試験に合格するという意味でも色感は大切ですが、
何よりも、
そもそも色感がなければカラーコーディネーターの仕事はできません!
カラーコーディネーターにとって色感がないということは、ピアニストがピアノを弾くのに音階がわからない、英語を話すのにアルファベットがわからないということと同じこと。色の提案をするカラーコーディネーターには色感が必須の条件なのです!
多くの人が誤解をしている、と思うことは
色なんて「感覚で提案すればよい」と
思われることですが、決してそうではありません。
どの分野においてもそうですが、
色を提案するプロセスとしては
必要な情報をリサーチする情報収集能力と分析力や
色を提案する際に、必要な内容について整理する力
つまり、提案するためには
わかっていることとわかっていないことを整理し、
わからないことをわかるためにはどうすればよいか
その手段や手法が理解できていることが求められ、
それらを積み重ねてクライアントに色を提案するということになります。
7.カラーコーディネーターに必要な力、「説明力」!
これまでお話した通り
カラーコーディネーターの仕事は、
どの分野においても「色の提案」なので
色感があって、
用途や目的に合わせた色を選べることは
もちろん大切ですが、
実はそれ以上に大切なのが
「なぜその色なのか?」という説明がきちんとできること。
そのとき、「自分の感覚で…」など寝ぼけたことは言えません。
つまり、その色を提案するために行ってきた、マーケティングの結果ということや、
また、提案するものの目的に適ったものだということなど、
きちんと理論的に根拠を示した説明ができることが必要になります。
色の検定試験では、そうした色の提案にまつわる様々な手法を勉強することになるのです
もちろん、それは似合う色のパーソナルカラーにおいても、
お客様の好きな色などの情報も理解したうえで
好きな色と似合う色が違った場合、
どう伝えれば、お客様に
「似合う色を使ってみよう」と思ってもらえるか、
という「説明力」
(好きな色を似合う色、といえばよいわけでは決してないです!)
そして似合う色を検証するときに、色の布を使うのですが
どの色を使えば、似合う色がわかるか、
という、似合う色を調べるときに使う色がわかっているという、
色の特徴と捉える力と、
似合う色の診断をするための分析力(色を見分け)
が絶対に必須になります。
いかがでしたでしょうか?
プロとして色を仕事にするには、
色の知識と合わせて
色を見分ける力と説明する力が
どうしても必要になるので、
その練習をする色の勉強と資格は
とてもとても大切なものになります。
カラーコーディネーターはただセンスの良い人が「自分の好みの色を好き勝手に話す」ということではなく、基礎知識があってこその仕事です